40代を、コツコツと。

不惑?とんでもない。

日本の公教育の問題点と、それをはねのける能力のこと

こんな本を読みました。

グーグル、ディズニーよりも働きたい「教室」

グーグル、ディズニーよりも働きたい「教室」

 

表紙の写真は一昔前の就活写真か選挙ポスターのようで「なんだかなー」と思ったのですが、この著者の松田悠介さんという方は、すばらしくバイタリティのある方で、本の中身は面白かったです。Teach for Americaのことは漠然と知っていましたが、松田さんはTeach for Japan(←そんなのあるんだーと思ったら今年4月の創設)を起ち上げた人でした。

 

備忘録として書き記しておきたいことは2つ。

1.日本の公教育の問題点(本の抜粋)

・高齢化は教育現場にも。経験不足の新人増加。

・1クラス平均28人。これは理想の教育をするには多すぎるのだそうです。

・長時間労働の先生たち←★個人的にはこれが一番問題だと思っています。

・IT活用の遅れ←教育面での話でしたが、長時間労働にもつながっているのでは?

・学習障害などへ対応する態勢が未熟

・管理職になりたがらない先生たち

 

2.一番大切なのは、「何かをしたい」と思う気持ちと、「成し遂げる」パワー

この松田さん。自分自身がいじめられ、そこから伴走するかのように救いの手をさしのべてくれた当時の先生との出会いをきっかけに自分も教職を目指し、勉学に勤しんで見事体育教師になるやいなや、1.の問題点に記されたような状況の中で壁にぶつかり、今度は自分で学校を起ち上げたいと、それこそ猛勉強の末にハーバードの大学院に合格。1年間アメリカに学び、帰国後はコンサルティングを学ぶために就職するも、すぐに離職し、Teach for Japanを起ち上げるという、これだけのことを達成しながら、おそらくまだ30歳そこそこ。どれだけ濃い時間を過ごしているかと、いやはや立派です。彼を突き動かすその動機の中の1つには、貧困が教育格差に結びつくという、現代の日本社会で現実に起きている社会的な問題があったり、一方で、どんな子でも「環境」さえ整えてあげて、「半歩先」を照らしてあげれば「自ら歩き出す」ことを経験で確信した強さがあったりと、とにもかくにも、松田さんの「動機力」と「実行力」の狂いのなさにはため息が出ます。

 

会社の資料室で偶然手に取った本でしたが、これ、読めて良かったです。大切なのは、「動機力」と「実行力」。これさえあれば、着実に問題点を乗り越えていける(このあたりは肝に銘ずるとして)。この方のこれからにも興味大です。