40代を、コツコツと。

不惑?とんでもない。

美学を少し乗り越えて「手」を挙げてみた

 「阿吽の息」とでも言いましょうか。お互いにずばりと言葉にしなくても、周囲の考えを察知しながらうまく事を運んでいく、私はそういうのを美しいと思うタイプです。これは直接的には人間関係におけるあり方だと思いますが、それと似たものを入社直後に求められました。

 「先輩が次に何をするのかを先回りして考えて動け」。これを徹底して教えられました。それができるのが「できるアシスタント」。確かにこれができると、仕事がスムーズに進みます。チームがうまく機能します。しかも、この発想は、仕事だけでなく家庭にも生かせるので、夫婦共にこの技能を持ち合わせていると、家事がパパッと進みます。

 この「阿吽の息」的なあり方を、私は大事にしてきたので、職場で何でも「はい!」「はい!」と手を挙げて自己主張するのは抵抗がありました。ちょっとみっともないと言いますか、私の美学に反するものなので、もちろん、言いたいことはきちんと言いますし、コミュニケーションも図りますが、「はい!その仕事、私がしたいです!はい!はい!」ということはしてきませんでした。

 ですが、先日、私、この「はい!」というのをやってみようかなーと。今の部署に異動になってから半年。実はずっと「やりたいなー」と思っていた仕事があって、今回、それを担当していた先輩が部署を卒業することになったので、そこはチャンス!すかさず手を挙げてみると、あっさり担当にしてもらえたのでした。(やったー!)

 上手な自己主張って大事ですね。最初からこの自己主張をナチュラルにできる人もいますが(というより、普通はできるのでしょうか?)、私はできなかったのだから仕方ない。でも、会社の中で、人を管理する立場になったり、何かをまとめる立場になったりしていくうちに、「これがしたいです!」と表明してくれる人がいれば、「おお、そうか!」とわかりやすくチャンスを与えてあげられることを学びましたし、私ももうまったり仕事を構えていられるほど時間もないし(時短勤務だし、40歳だし)、ここは効率的な意思表明が必要だと思ったわけです。

 でも、やはり、みっともないムードが漂う意思表示は、それでも避けたいところです。できる限りのスマートさで仕事をこなし、なにかチャンスが来た時に、スッと手を挙げて気づいてもらう。いやー、この匙加減は難しいですね。私の場合は、「はい!」の方向に多少匙を傾けてちょうど良いくらいだと思うので、それを忘れないようにしなきゃ。・・・そういえば(大)昔、就職活動をしていたとき、「君はちょっと自己主張しても、それが嫌みになることはないと思うよ」と言われたことを今思い出しました。あー、ずいぶん長い間忘れちゃってたなー。